薬剤師のプライベート

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橘皮(きっぴ)

今日は橘皮(きっぴ)の紹介です。

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橘皮(きっぴ)
《処方名》橘皮
《基原植物》ミカン科橘及びその他の同属植物
《薬用部分》成熟果実の果皮
《効能》悪心、嘔吐、げっぷ、みぞおちや胃のつかえ
 
ミカン科の植物は理気薬として使用されているものが多く、青皮(せいひ:幼果の未成熟果皮)、枳実(きじつ:ダイダイなどの未成熟果実)、仏手(ぶしゅ:仏手の果実)など様々です。
ミカン科の植物でもどの植物の生薬かによって効能の強さがやや異なるので、症状や病態により使い分けます。
 
今回の写真は南円堂の「右近の橘」です。
お堂に向かって左側なので右?と疑問に思われますが、これはお堂から見ての右左なので、私たちから見ると逆になります。
橘は冬にも葉を落とさない常緑の樹で、古事記では垂仁天皇から勅命で不老不死の霊薬を持ち帰るように言われた田道間守が持ち帰ったのが、「ときじくのかぐのこのみ」(今の橘)とされています。
そのため、昔から縁起のいいものとして扱われ、着物の文様にも使われています。
そんな橘ですが、今では絶滅危惧種に指定されています。
日本固有種であり、日向夏や黄金柑のルーツとされる橘ですので、なるべく長く残っていてほしいものです。
 
最後まで読んでいただきありがとうございました。
 
本日の勉強範囲:芳香性健胃薬