「許されようとは思いません」
今日は最近読んだ本の感想です。お題「この前読んだ本」
「許されようとは思いません」 著者:芦沢央
です。
芦沢央さんの作品は「火のない所に煙は」で初めて知り、久しぶりにハマって、次作として今回の本を読みました。
空港のロビーで待ち合わせの最中に読んでいたのですが、夢中になりすぎて友達からの到着LINEに気がつかず、怒られました。(「火のない所に煙は」の時はお風呂に入りながら読んでいてお湯が冷めて風邪を引きました)
「火のない所に煙は」も「許されようとは思いません」もそうですが、タイトルが読者の興味を引き付けてやまないところが魅力だと思います。
最終的にどういう風に決着し、タイトルに関わってくるのだろうと気になってしまいます。
「許されようとは思いません」は短編集になっていますが、表題作以外の結末はイヤミス的です。背中を氷のように冷たい手でひとなでされるようなぞっとした気持ちになります。
特に「姉のように」は傑作の余り落ち込みます。特に起こり得そうな話であるため、自分のすぐそばに見えない崖があるのではと不安にさせられます。
しかし、読者を「姉のように」で叩き落とした後に、巻末の表題作「許されようとは思いません」で何故、許されなくていいのか?が語られ、その理由から読者の心はやや救われます。短編集において作品の順番は読者の読了後の印象を左右する重要な要素だと改めて感じました。
今まで、「火のない所に煙は」で鮮烈な印象を受け、とても好きな作品だったので、芦沢さんの他の作品を読むことができませんでした。
いきなり良作に出会ってしまうと次に読んだ作品に思ったよりハマれなかったりすることがあるので。。。
しかし、本作もまた好きな作品になったので、芦沢さんの他の作品も読んでいきたいと思います。
イヤミスやどんでん返しが好きな方はぜひ読んでいただきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。