むらさきのスカートの女(感想)
前から気になっていたこの本がKindle Unlimitedになっていたので読みました。
これはなかなか不思議な本でした。
芥川賞受賞の作品です。
このお話は黄色のカーディガンの女(以下黄色さん)視点で物語が進行するのですが、黄色さんはひたすら紫のスカートの女(以下紫さん)の行動を追います。
黄色さんは紫さんが変わった人だと思っているようですが、
黄色さん、あなた結構変だよ!
と声を大にして言いたくなりました。
黄色さん、他の人とは下戸だと嘘をついてまで付き合おうとしないのに、紫さんにだけはストーカーレベルで追っかけするのはなぜなのか…
そして、この黄色さんの無鉄砲な感じはどこかで覚えがあると思ったら
この本の文豪たちに雰囲気が似ている。
文豪たちは当時の日本がおおらかだったからまだ可笑しいなあと思うけど、現代日本に生きる黄色さんは無茶苦茶なと思ってしまう。
最初から最後まで黄色さんのしっちゃかめっちゃかを見ることになるので、読後は少しぽかーんとすると同時に紫さんが最後に黄色さんに対してしたことにちょっとスカッとしました。
本書において強烈な印象を与える二人の女性はテーマカラーが紫と黄色。
この2色は補色であることはまた何かの意味があるのでしょうか。
本の表紙にはドットの布が描かれていることにもまた意味がありそう。
私の中では、色で印象に残っている話は
こちらに収載されている『赤頭巾』。
こちらのお話でも補色の赤と緑の色が読者に鮮烈な印象を与えています。
後味としてはちょっとヘビーですが。。。
途中で『むらさきのスカートの女』から脱線しましたが、読んでみた感想を書いてみました。
こちらにあげた3冊はどれも面白いので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
本日の勉強範囲:調剤と情報