私が漢方薬に興味をもったきっかけ
私が漢方薬や生薬に興味を持ったのは大学の授業でした。
その先生の講義では、表やグラフを貼り付けた資料を配られて解説を聞いていたのですが、先生の声が小さくて私たちは耳をすませるように聞いていたのを覚えています。
しかし、その講義で私は漢方薬に含まれる生薬の構成が意味のあるものだと、初めて納得して、その膨大な組み合わせと歴史の長さに圧倒されました。
例えば、
構成生薬の一つを除いて作った漢方薬の効果は、元の漢方薬よりも効果が弱くなることから相乗効果が生まれていること。
さらに別々に構成生薬を煎じて元の処方と同じ割合で混合しても効果が弱まることから、構成生薬をすべて一緒に煎じることで効果が発現していること。
などです。
多数の論文から引用してこれらの漢方薬の構成生薬の複合効果を解説されていたので、当時は解説を追うのが必死でしたが、この現象は古くから知られており、神農本草経に生薬同士の複合効果を示した“七情”という言葉が記載されています。
分析装置のない時代からこれらを解明し、多数の方剤が生まれていることに感動しかありません。
漢方薬はその歴史や考え方から現在の医療の根幹になっているEBM(Evidence-Based Medicine)にすべてを当てはめることは難しいでしょう。
でもそれは漢方薬が意味のない治療であるという根拠にはならないはずです。
実際に漢方薬のエビデンスを集める研究は各所で行われています。
私もその一助となる薬剤師であれるように勉強していきたいですね。
本日の勉強範囲:中薬学(解表剤)